「眠りとカフェイン」実は意外な食品にもカフェインが含まれています
先日、キリン様と打ち合わせをさせていただいた際、「カフェインコントロール」についてお話がありました。 「眠りに影響するので、就寝前にはコーヒーや紅茶を飲まない」という知識をお持ちの方がほとんどかと思います。 たしかにその通りで、キリン様も眠りに影響しない「デカフェ」商品の開発をすすめていらっしゃいます。
「午後の紅茶」や「生茶」はデカフェが発売されましたね。
それを開発された研究員の方とお話させていただき、カフェインについて語り合いました。

実はカフェインは、私たちのイメージ以上にいろいろな食品や飲料に含まれています。 そして「快眠のためにはカフェインは取らない方がいい」というだけでなく、上手につきあうことで、より豊かな快眠ライフが送れると思っています。 わたし自身がコーヒー好きということもありますが(笑) というわけで、今回はカフェインと眠りの関係について、整理してみます。 そもそもカフェインって何? ◆食品安全委員会(内閣府) ファクトシート https://www.fsc.go.jp/sonota/factsheets/caffeine.pdf ・カフェインはコーヒー豆、マテ茶を含む茶葉、カカオ豆、ガラナなどに天然に含まれている食品成分の一つです。 どんな作用があるの? ◆健康づくりのための睡眠指針 2014 http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000047221.pdf ・カフェインには覚醒作用があり、3時間程度持続するため、就寝前3~4時間以内のカフェイン摂取は控えた方が良い。 ・カフェインには利尿作用もあり、尿意で目覚める原因にもなります。 どんな食品にどれくらい入っているの? ◆食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A(厚生労働省) http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170477.html ・カフェインは、コーヒー、紅茶、緑茶などの日常的に摂取する食品に含まれています。また、コーラなどの清涼飲料水にもカフェインが含まれています。 ・エナジードリンクなどでは、コーヒー、紅茶、緑茶などより多くのカフェインを含む製品もあります。

◆食品安全委員会(内閣府) ファクトシート https://www.fsc.go.jp/sonota/factsheets/caffeine.pdf ・100mlあたりのカフェイン含有量 コーヒー :60㎎ 紅茶 :30㎎ 煎茶 :20㎎ ※五訂増補 日本食品標準成分表より ◆高カカオをうたったチョコレート(独立行政法人 国民生活センター) http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/01/dl/s0114-10j.pdf ・カカオは、テオブロミンやその類似成分であるカフェインを多く含む。 ・高カカオチョコレート(カカオ分が70%以上)では普通のチョコレートと比べ、テオブロミンは2.3~4.5倍、カフェインは2.3~4.0倍含まれていた。 ・高カカオチョコレートに含まれるカフェイン量は、同僚のコーヒー(浸出液)とほぼ同じ(60㎎/100g)~2倍程度である。 ・テオブロミンやカフェインには、気管支拡張作用、利尿作用等があり、取り過ぎには注意が必要。 補足 ・テオブロミン、カフェイン、テオフィリンは、キサンチン誘導体と呼ばれ、生理作用の強さについては、一般に以下のように言われています。 中枢神経興奮作用 カフェイン > テオフィリン > テオブロミン 利尿作用 テオフィリン > テオブロミン > カフェイン 眠りとカフェインの関係をまとめると 〇質の高い眠りのためには、就寝前3~4時間以内のカフェイン摂取は避けた方が良い。 〇理由はカフェインには覚醒作用と利尿作用があり、睡眠の質を下げる可能性があるから。 〇カフェインは、コーヒーや紅茶のほか、緑茶、ココア、栄養ドリンク剤、チョコレートなどにも含まれるので注意が必要。 予想通り、コーヒーのカフェイン含有量は高いですね。 紅茶の2倍( ;´Д`) コーヒー好きではありますが、わたしも夕方以降コーヒーを飲むのは控えています。 ココアやチョコレートにも想像以上のカフェインが含まれているとのこと、緑茶やほうじ茶にも含まれていますので、食後のリラックスに意識せずとってしまうかたも多いのではないでしょうか。 カフェインへの感受性は個人差が大きいようです。 コーヒー1杯飲んだだけで夜眠れないという方もあれば、眠る直前に飲んでもまったく問題ない、という方もいらっしゃいます。 自分自身の経験から「私はコーヒーを飲んでも眠れるから大丈夫」という方ほど、一度カフェイン習慣を見直してみることをおすすめします。 私は、眠る直前にコーヒーを飲んでも寝付けてしまうタイプです。 なので、特にカフェインをコントロールしようと思ったことがありませんでした。 むしろお風呂上りにゆっくりコーヒーの一杯でも飲むのが楽しみだったり。 しかし、眠りを学び、カフェインが睡眠に及ぼす影響の大きさを知り、実験的に就寝前のカフェイン絶ちをしてみました。 するとびっくりするほど変化がありました( ゚Д゚) コーヒーを飲んでから眠るのと、飲まずに眠るを何度か繰り返してみましたが、やっぱり飲まないときの方が断然熟睡感がありす。 それ以来、夜のカフェインコントロールを行っています。 おねむり相談を受ける際にも、寝る前にカフェインを摂取していないか確認するようにしています。 「私は大丈夫だから」と寝る前にコーヒーを飲んでいる方には、試しにやめてもらうようにアドバイスします。 カフェインが入っていると知らずに、夕食後に緑茶やココアを飲まれる方には、ノンカフェインの飲料に変えてもらうようご提案します。 これだけで、案外次の日の目覚めに変化があったりしますよ(*^-^*) 就寝前のアルコールも睡眠の質を下げますので、そちらも注意です。 アルコールについては、また後日まとめてみようと思います。 カフェインにはこれだけ眠りに働きかける強い作用があるので、私は逆に利用もしています。 どうしてもすっきり目覚められない時、適度なカフェインをとることで、すっきりとした気分に切り替えます。 そして、しっかりと活動量を上げることで、その日ぐっすり眠ることにつなげます。 コーヒーや紅茶、チョコレートを日中のリラックス&リフレッシュに上手に活用されてはいかがでしょうか。 そんなホッと一息が上手にとれることも、睡眠の質をあげるコツです。 カフェインを避けるだけでなく、上手につきあうことで、楽しく快眠を目指しましょう♪ ※子ども、妊娠・授乳中の女性に関しては、特にカフェイン摂取に注意が必要です。 こちらで摂取量などの参考データがみられます。 ◆食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A(厚生労働省) http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170477.html